
1. 統一性と多様性の調和:有機体としての教会
張ダビデ牧師は教会を「成長する生命体」すなわち「有機体」とみなします。パウロが「からだは一つ、御霊は一つ...主も一つ、信仰も一つ、バプテスマも一つ」(エペソ4:4‑5)と語ったように、教会は三位一体の神のうちに根本的な統一性を持っています。同時に、各肢体に与えられた多様な賜物は、教会を建て信徒を完全にする目的のために積極的に用いられるべきです。特定の賜物を優劣で測るなら、教会の統一性と多様性は共に損なわれると彼は警告し、すべての賜物が共同体の益のために与えられたことを強調します。
2. 信仰と知識の結合:成熟への道
教会の成熟には「信じること」と「知ること」の調和が不可欠だと張牧師は語ります。信仰が救いの門を開く決断であるなら、知識はその救いの真理を深く理解し体得する過程です。ヘブライ的視点で「知る(yada)」とは単なる知的同意を超え、人格的交わりと愛を意味すると説明し、キリストを知るとはその愛を体験し似姿へと変えられる旅路だと述べます。信仰なき知識は空虚な論争に、知識なき信仰は盲目的信仰へと流れかねません。ゆえに教会は体系的な聖書学習・教理教育と、礼拝・祈りを通じた聖霊体験が均衡を保つよう勧められます。
3. 霊的成長と成熟:幼子から成人へ
張ダビデ牧師は教会が霊的幼児期にとどまるべきではなく、成人した段階へと進む必要があると強調します。エペソ4章14節が警告するように、霊的に幼い者は世の欺きや誘惑に左右されやすいからです。信徒が「乳」だけではなく「堅い食物」を消化できる段階へ成長するためには、御言葉教育が不可欠だと説きます。また、信仰段階に応じた成長を認識し、新来会者から信仰歴の長い指導者に至るまで各自が役割と責任を果たすとき、教会全体が共に成熟すると見ます。
4. 愛のうちの一致:教会を建てる力
「愛において真理を語り、あらゆる点で彼に達するまで成長しなさい」(エペソ4:15)とあるように、教会の成長は愛を通して実現します。張ダビデ牧師は、愛のないすべての教会活動は空虚な鳴り響きに過ぎないと指摘し、愛を「一致の神秘」と呼びます。彼はエゼキエル37章の枯れた骨が生き返り大いなる軍勢となる幻を引き合いに出し、聖霊の力と愛によって信徒が相互に結び付くとき、教会は初めて強固に建てられると説きます。この愛は教会内部の結束を深めるだけでなく、世に向けて光と塩の使命を担う原動力ともなります。
5. 霊的識別力:世の潮流に対抗する知恵
現代社会は物質主義・相対主義・霊的混合主義など多様な思想が交錯する「情報洪水の時代」です。張ダビデ牧師は、この世の潮流や偽りの教えに流されないために霊的識別力が必須だと強調します。信徒は御言葉の上に堅く立ち、教会の信仰告白の伝統を学び、キリスト教世界観を確立するよう勧めます。祈りと敬虔生活、そして共同体内での相互点検を通じて識別力を養うとき、教会は世の偽りに揺らがず福音の光を放つ堅固な共同体へと生まれ変わるのです。
結論
エペソ人への手紙4章を通じて張ダビデ牧師が示すメッセージは明瞭です。教会はキリストにあって一つとなり、信仰と知識の調和の中で愛によって結ばれ、絶えず霊的に成熟していかなければなりません。「教会は育ち続ける存在だ」という彼の言葉どおり、この成長の旅路を止めないとき、教会は世の中で神の国を実現する真の共同体として屹立することでしょう。



















